ヒロシマの心を世界に [春宵十話]

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「根回し」という知恵を提案したら ――高市総理とトランプ大統領会見――

「根回し」という知恵を提案したら

――高市総理とトランプ大統領会見――

根回し

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《高市総理のアメリカでのミッション》

高市総理大臣がトランプ大統領と会見するにあたって、一つ重要な提案をすべきだと考えていますので、そのことをお伝えしたいと思います。それは「根回しをしろ」です。

《「ディール」のお浚い》

これまでのトランプ大統領の得意とする会話、と言うよりは、まぁ一方的な要求の仕方ですが、しばしば「ディール」と呼ばれています。

まず一方的に、そして高飛車に相手に対して、想像をはるかに超える要求を突き付けます。そして相手が吃驚したり、怯んだりしている様子を喜びながら眺めつつ、困りに困った相手が何らかの妥協案を差し出してくるを待ち、自分が最初を考えていた以上の良い条件での妥協点を見付けるという手法です。

これは自分の方が相手より優位にある場合には、しばしば有効に働きましたし、トランプ大統領は性格的にも、いじめに該当するような立場に立つことを好む人ですので、このパターンに従って行動をしてきたということだと思います。

その具体例ですが、改めてお浚いをしておく必要があるかどうか分かりませんがいくつか挙げておきましょう。そのメリットの一つは、日本の報道では一つ一つの事柄を局所的に取り上げて、その事柄の細部について、トランプの出方をどう忖度したら良いのかというメンタリティーに陥ってしまっているように見えるからです。全体像を把握した上で対応するアプローチも同時に必要です。

  1. トランプ関税と呼ばれる関税についての発言。
  2. カナダを51番目の州と呼び、首相を知事と呼ぶ侮蔑発言。
  3. グリーンランドを領有する、あるいは買うという発言。
  4. より最近の事件では、イスラエルとともにイランを攻撃、最高指導者の命まで奪ってしまった国際法違反戦争行為。
  5. ロシアに対して科していた石油輸出の制裁を、一方的に解除するという決定。
  6. ホルムズ海峡が封鎖されてしまったので、各国の鑑定を派遣しろという発言。これは一応要請という形になっています。

さてこうした理不尽な要求に対して各国の反応はどうだったのでしょうか。これもお浚いしておきましょう。

関税については、期限が付けられていたせいもあり、また経済的には大変大きな問題でしたので、各国とも急いで調整をすることになりました。しかし、トランプ大統領の認識では、それは自分が「ディール」、と言うよりは、いじめで勝ったという優越感を持つ結果になったのではないかと思います。

しかしながら、その後の展開を丁寧に見てみると、全く違った景色が見えてきます。そして、そのことをトランプ大統領自身もようやく気付き始めたのではないでしょうか、その点も振り返ってみておきましょう。

  • 関税については、ダボス会議でのカナダのカーニー首相の演説、そしてカナダを軽んじる発言については、カーニー首相からトランプへの直接の抗議が明確に方向を示しています。カーニー首相が述べたのは、これまでの世界は大きく変ってしまった。「ラプチャー」つまり、「構造が破れてしまっている」のだ。それに対して各国が個々に対応するのではなくて「中堅国家」として一緒になってアメリカに対抗すべきだという提案です。そして、各国がトランプ大統領に対して直接電話で連絡をすることができるので、トランプに直接文句を言おうとも提案しています。それは自分の行動として実行しているという形を取っていて、他の国にまで呼び掛けている訳ではありませんが、実質は同じです。
  • 昨日のこの記事でも取り上げたように、NATO並びに北欧諸国はグリーンランドの所有については強硬に反対をしています。北極圏での軍事演習を行ったり、グリーンランドに各国の軍隊を駐在させたりという姿勢まで取っています。はっきり言ってしまえば、アメリカがグリーンランドの侵略を始めると、NATOの諸国は、それに対して軍事力で対抗する。つまり戦争を始める用意があるのだというところまではっきりと意思表示をしているのです。(リンクは右クリックしてから左クリックして下さい)
  • そして、極北の地で、カナダ、ドイツノルウェーの3国の首相がNATOの軍事演習を視察しているタイミングで、トランプ大統領はロシアに対する制裁解除をそれも、誰に何の相談もなく発表しました。事態はそれ以上に悪いのです。その直前に開かれていたG7の会議で、制裁解除は行わないという確認が行われていたからです。それを全く無視しての一方的宣言だったのです。ですから当然、アメリカ以外は制裁解除はしていません。
  • さらには、アメリカ軍としては危険だから、ホルムズ海峡での商船やタンカー等の護衛は行わないと言明しているにもかかわらず、各国に護衛のための艦船を派遣せよと要請をしたのです。これまた一方的な「ディール」の積りでしょう。

さて、こう見てくると、トランプ大統領の一方的な宣言に対して、日本を置いて他の国々は、きちんとした対応をしています。アメリカの意向に反すると、日本の総理大臣は首が飛ぶという事実は何代もわたって知られていますので、日本の総理大臣がアメリカに表立って反発をする事はできないのかもしれません。

なんとも情けない限りで、独立国としての矜持を見せてもらいたいものですが、せめてトランプ大統領に対して西側の心ある国々の代表として、「ディール」が得意なのは分っているけれど、大人の社会では、相手の立場を立てて、そしてただ単に突然、何かを発言するのではなく、できれば丁寧に一人ずつ事前に、つまり公表するをする前に、耳打ちをして合意を取り付けるなり、各国が準備をする時間を作るべきだと言えないものでしょうか。事前に各国の反応を充分理解した上で、できれば複数の国々の合意という形で新たな企画なり、あるいは行動を発表する方が万事円満に収まるよ、と提案してきたらどうでしょう。

それ以上に心配なのは、今の状態が続けば、日本もその一員としての実績のある「西欧社会」(日本がこれからもその位置付けを続けるかどうかは議論すべきだとしても)、は分裂・崩壊の危機にはあると言っても良いような気がします。

あからさまに言うのも能がありませんから、日本文化の紹介という形を取っても良いでしょう。日本ではこれを「根回し」という言葉があると紹介するのです。

ここはちょっと創作も含めて、数千年も命を保つと言われる盆栽を根付かせるための古代からの日本文化の知恵なんだといった能書きを付けて紹介してきたらどうでしょうか?

 

今日一日が皆様にとってよき日でありますよう、お祈り致します。

[2026/3/18   人間イライザ]

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