ヒロシマの心を世界に [春宵十話]

核のない平和な未来を創るために

最高のヒーローはカーニー首相? ――トランプの動機は?――

最高のヒーローはカーニー首相?

――トランプの動機は?――

カーニー首相

(by Lea-Kim

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/22/2025-11-14_InaugurationREM_Deux-Montagnes_Mark_Carney.jpg)

広島ブログ

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《カナダのカーニー首相》

イスラエルとアメリカのイラン攻撃について、勇気ある発言をしてきた世界のリーダーたちについて14日のブログで取り上げました。このリーダーたちを褒めることで、我が高い総理にも発奮してもらおうという提案も行いました。(リンクを開くには、右クリックしてから左クリックをお願いします)

しかしながら、本当と嘘との違いが分らないトランプ大統領の数々の発言について、あるいは人を人とも思わない傍若無人な言動が当たり前のトランプ大統領について、トランプ政権発足後、何年にもわたって、冷静かつ胸の空く様な対応をしてきたヒーローたちがまだたくさんいます。

そのトップにあげられるべき人物は、カナダのマーク・カーニー首相でしょう。トランプの常軌を逸した言動に対する対応は、政治家としてまた人間としての格の違いが世界で認識されています。

カナダを「51番目の州」と呼び、当時のトゥルドー首相を「知事」と呼ぶなど、小学生のレベルとしても問題のある「いじめ」発言で名を馳せたトランプでしたが、2025年5月6日の階段のでもそれは変わりませんでした。TBSCrossDigにその記事がありますので、お読みください。

しかしながら、カーニー首相の対応は、品格の違いをまざまざと見せつけてくれました。さらに、ダボス会議での彼の演説を読み、お聞き下さい。それだけで十分私の言いたいことは伝わると思います。その一部を引用します。

以下、BBCが報道した、ダボス会議でのカーニー首相演説

「古い秩序は戻ってこない」と述べた。そのうえで「これまでより良いもの、より強いもの、より公平なものを築くことができる」と強調し、カナダを含めた中堅国の団結を呼びかけた。

カーニー首相は、「中堅国は一緒にまとまって行動しなくてはならない。なぜなら、意思決定のテーブルに着いていなければ、われわれはメニューに載る側になってしまうからだ」と発言。強大な国々は望むものを手に入れるため、経済的な強制力を駆使しているとの認識も示した。

カーニー首相がさらに、グリーンランドとデンマーク、そして北大西洋条約機構(NATO)への支持を改めて表明すると、会場からは拍手が起きた。

《ロシアへの原油制裁解除》

さて、最近の出来事に焦点を合わせましょう。

3月13日金曜日に、アメリカは、ロシアに科していた原油の制裁を30日間、解除すると発表しました。その結果、ロシアに関連のある船舶に積まれている約1億万バレルの原油が自由に売買できることになりました。

この「解除」は、直前のG7の首脳会議の意思に反して行われています。日経の報道です。

ロシア制裁についても言及した。「現在の状況がロシアに対する制裁措置解除を正当化する理由とは決してならないことを確認した。会合でロシアに対する方針を変えるべきではなく、ウクライナのための努力を維持すべきだという合意を得た」と語った。

ドイツのメルツ首相も12日に記者会見でこの点を強調しています。ところが、G7の会合での合意後2日で、アメリカはその合意を反故にする決定を一方的に行ったのです。ここで思い起こして頂きたいのは、そもそもこの制裁を行う上でのリーダーはアメリカでしたし、アメリカが各国を説得して協調体制を作ったという点です。

何らかの説明が必要だと思ったのでしょう。ベッセント財務長官は、この解除で「ロシアが得るであろう経済的利益はほとんどない」と言い訳しています。そうだとしたら、そもそもほとんど効果のない制裁を科してきた意味が問われることになってしまいます。

《各国の反発》

アメリカの制裁解除宣言の直前、ノルウェイでは、カナダのマーク首相、ドイツのメルツ首相、そしてノルウェイのストーレ首相が、ロシアからの侵略に備えて極北の地で行われたNATOの軍事演習を視察していました。そこに、トランプがロシアへの制裁を解除したとのニュースが届いたのです。三人は直ちに反対の意思を示しました。

それに加えて、15日の日曜日には、カナダのカーニー首相と、北欧の5カ国の首脳――スエーデン、ノルウェイ、フィンランド、デンマーク、アイイスランド――がノルウェイで会談し、世界の軍事状況の緊迫化に備えて協力することを確認しています。 緊迫化の中にはロシアのウクライナ侵攻も含まれていますが、アメリカの主張するグリーンランド領有もその中に入っています。

メディアからの質問に対して、カーニー首相は、「カナダは各国の持つ主権と領土保全の権利という原則を支持する。グリーンランドについては、デンマークとグリーンランドの人々の未来をどうしたいかという意思を尊重し、そのために、必要な措置を取る用意がある」と述べています。

その一環になるのかもしれませんが、カナダはロシアの「影の船団」と呼ばれる艦船100隻への制裁を追加することを発表していますし、フランス、ドイツ、スエーデンはグリーンランドに軍隊を派遣しています。

それに反して、ベッセント財務長官は30日が経った後にも、制裁の「緩和」が続く可能性を示唆しています。

《何故アメリカはロシアに優しいのか》

当然、このようなアメリカの姿勢に対しての自然な疑問が生じます。それは、なぜこれほどロシアに対しての「優遇措置」を続けるのかという点です。「優遇措置」の中には、ウクライナとロシアとの「仲介」と称してアメリカの行う提案の中には、領土割譲などのロシアにとっては都合の良い、ウクライナに取っては譲りがたい項目が入っていることも指しいています。ロシアには本当に優しいですよね。

一つの答は、2016年の大統領選挙に当って、トランプ政権はロシアの助けを借りていたことがハッキリしているからです。概要はWikipediaをお読み頂きたいのですが、モラー特別検察官の調査報告書がロシアの関与を確認しています。トランプ大統領個人の関与までには至っていませんが、「もし関与していなければ、報告書にそう書いた」とモラー氏が述べている言葉が象徴的です。また、それを要約したウィリアム・バー司法長官の文書は、モラー報告書を骨抜きにして物だと言われています。詳しくは、例えばSteve Bennen著『Ministry of Truth』(Mariner Books, 2024年) を御覧下さい。

その後、ロシアへの制裁解除の続報はあまり聞こえてこないのですが、その代りに、ホルムズ海峡での護衛のために各国が艦船を派遣するのかどうかが大きく報じられています。2003年のイラク戦争を思い出します。

それは置いておいて、「カーニー首相をノ―ベル平和賞に」という運動はどうでしょうか。

 

今日一日が皆様にとってよき日でありますよう、お祈り致します。

[2026/3/17   人間イライザ]

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