ヒロシマの心を世界に [春宵十話]

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スマホから子どもを守れ ――オーストラリアの禁止措置の背景――

スマホから子どもを守れ

――オーストラリアの禁止措置の背景――

ソーシャル・メディアの害に向き合おう

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オーストラリアでは16歳未満の子供たちにソーシャル・メディアを使わせないという法律が施行されました

その背景にどのような現実があるのかについて、先日12月6日のブログで考え始めました。社会心理学者Jonathan Haidt(ジョナサン・ハイト)著の 『The Anxious Generation』(「不安に取り付かれた世代」と訳しておきます。また略称として「不安」を使います。) を紹介しながらの考察です。そちらも御覧頂きたいのですが、今回はその続きです。

子どもたちの生活において、スマホが中心的な役割を占め、そしてソーシャル・メディアが子どもたち同士をつなぐ上での基本的な枠組みになってしまった今、子どもたちの間に精神面での大きなネガティブな影響の出ていることは前回確認しました。

「不安」が指摘しているのは、これまで長い間、子どもたちが成長してきた環境は遊びを中心としたものだったという点です。子どもたち同士の遊び、そしてその子どもたちを取り巻く家族や社会と子どもたちの関係が、スマホによってあるいはインターネット、ソーシャル・メディアによって大きく変えられてしまった現実です。

長い人類の歴史の中で、子どもたちが遊び成長してきた世界には、次の4つの要素があるとハイトさんは指摘しています。

  1. 身体を介しての言語活動、そしてコミュニケーションに依存している。
  2. それは周りにいる他の人たちとの「同時性」があって初めて成り立つ。
  3. コミュニケーションは時間的に順番に行われる。そしてたかだか数人の人を上限として行われる。
  4. そしてこのコミュニケーションの輪に入るためのバリアーがかなり高いという特徴を持っている。

しかしながら、インターネットを通したり、スマホを通しての活動については、これらの特徴は全く当てはまりません。

敢えて数え上げる必要はないかもしれませんが、スマホでのやり取りには身体は関与していません。高々指一本と極言すればその意味は明白でしょう。そして、他人とのやり取りでは、その場ですぐ相手の発言を聞くこともそれに反応する必要もありません。さらに、自分が喋りそれに相手が反応する、そしてその他の人もどこかで会話に入ってくるといった時間的な直線性が、スマホの場合は不必要です。そして、誰でもどこでもスマホでの発信はできますから、転校生が友だちとして受け入れられるまでに時間が掛かったりするというバリアーはありません。

そしてハイトさんが指摘しているのは、このスマホをベースとした子ども時代を過ごす事で、子どもたちは四つの基本的な害を受けてしまうと言うのです。

  1. 人付き合いにおける貧困。2012年以降、今までに子どもたちが友だちと面と向かって共有する時間が半分になっているそうなのです。そしてコロナ禍によってそれがさらに悪くなっているとのことです。
  2. 睡眠不足。睡眠不足が原因になって鬱になったり、不安症になったり、イライラしたり、認知的な問題があったり、学習能力が劣ったり、そして学校の成績が悪くなったりします。長期的な研究によると、子どもたちには睡眠不足が起きていますし、その質も劣っているそうです。
  3. 注意散漫になる。スマホからの様々な通知で集中をすることが難しくなっていて、しかもかなり厳しい形で起きているのだそうです。
  4. 多くの子どもたちはスマホドーパミン (楽しいことや目標達成時に分泌され、「またやりたい」という意欲(報酬系)を構築する。) を得る格好の手段として使っています。次の「ハイ」を探すことに躍起になってしまっているのです。そしてソーシャル・メディアのサービスを提供している企業はこの行動を奨励するようなAppを準備し提供しています。

このような害が生じているのですが、それが子どもたちの精神面に大きな影響を与えるメカニズム、そしてどんな対抗策が考えられるのか、次回取り上げます。

 

皆様にとって、きょう一日が素晴らしい24時間になりますよう!

[2025/12/12   人間イライザ]

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