天皇は日本国民です
――国籍法が根拠です――
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ネット上で、「天皇は日本国民ではない」という主張が行われているようですが、その点について、2019年に上梓した『数学書として憲法を読む――前広島市長の憲法・天皇論――』(法政大医学出版局)で取り上げていますので、そこでの論考をここに引用しておきます。以下、引用です。(時代の変化で一世代ずれていますが、議論は同じです。)
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第八章 国民の総意と天皇
憲法遵守義務リストのトップに掲げられている天皇ですが、本章では、憲法における天皇の位置付けをおさらいしておきたいと思います。天皇を元首にすべきだと考える立場、天皇制に反対する立場等の政治的立場を離れて、「数学書として憲法を読む」とどのような位置付けになるのかを改めて確認することが目的です。
さて、はしがき以下、最初の部分で触れましたが、本書の出発点はかつてのタフツ大学の同僚I教授の問でした。それは、「天皇にはそもそも日本国民としての人権が保障されているのか」でした。この問の中で最初に確認しなくてはならないのは、天皇が法的に日本国民なのかどうかという点です。
疑問をそのままにしてはいけませんので、「天皇は日本国民か」の答を探しました。まず憲法10条では、国民としての要件は法律で決めることになっています。
第10条 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。
その法律は国籍法です。その2条に次の規定があります。
第二条 子は、次の場合には、日本国民とする。
一 出生の時に父又は母が日本国民であるとき。
二 出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であつたとき。
三 日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有し
ないとき。
昭和天皇あるいは皇后が日本国民であれば、第一項が適用されます。しかし、人間宣言をしたことと法的な扱いは別ですので、念のため、そうではない場合も検討しておきましょう。仮に、日本国民かどうかが判明しなくても、国籍はあるかないかのどちらかです。つまり、昭和天皇・皇后ともに国籍を持つか、二人とも持たないかのどちらかですので、持つ場合には第一項によって、そうでない場合は第三項によって、現在の天皇が日本国民であることは保証されています。
これで一件落着なら良いのですが、『夜明けを待つ政治の季節に』から抜粋した序章では、天皇が日本国民ではあっても(あるいは仮にそうではないとしても)、国民としての権利が十分に認められていないことを問題にしました。これは、憲法が抱えている大きな矛盾の一つです。その解消のためにはどんな可能性があるのか、「数学書として読む」立場から考えてみたい点ですが、本書で取り上げるにはスペースが足りません。この点については機会を改めて論じたいと思います。
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これ以外の点についても、皆さんが疑問に思っていらっしゃる点について、例えば死刑は違憲か合憲か等の基本的な原則について、憲法は本当のところどう言っているのかを丁寧に読み解いた積りですので、御一読頂ければ幸いです。
皆様にとって、きょう一日が素晴らしい24時間になりますよう!
[2025/10/18 人間イライザ]
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