好きな辞書
「ヒロシマ演説を読み解く」シリーズが続きましたので、もう一息入れたいと思います。実は今、ビールを飲みながら好きな本を読んでいるのですが、その「好きな本」を紹介したいと思います。たくさんありますのでシリーズになりますが、第一弾として、「好きな辞書」です。これも何回か続きます。
『サウンド・オブ・ミュージック』には良い歌がたくさん出てきます。簡単で、しかも子どもたちにも分り易いのは「私の好きなもの」かもしれません。「好きなもの」リストがそのまま歌詞なのですが、「バラの花びらの上の雨のしずく、子猫のひげ」から始まって、全部で10以上の「好きなもの」が挙げられています。そして最後は、「犬に吠えられたり、蜂に刺されたり、悲しい気持になった時に、私の好きなものを思い出すと悲しみが飛んで行く」で終ります。
でも「好きなもの」の中に、「好きな本を読む」が入っていません。なぜなのかずっと不思議でしたし、その疑問は今でも未解決です。男の子と女の子の違いや年の違いもあるのかもしれませんし、どの本なのか一冊選べと言われても困るからなのかもしれません。でも、好きな本を「見る」だけ、手で「触れる」だけでも嫌なことを忘れられる多くの皆さんには、私の疑問に頷いて頂けると思います。
好きな本はたくさんありますが、中でも長く手元において、ページ毎のイメージまで覚えてしまっているものと言えば辞書でしょう。その中でも、内容も説明も紙の質や活字まで一番気に入っている一冊と言えばこれをおいて他にありません。『日米口語辞典』です。英語のタイトルは『Modern Colloquialisms
Japanese-English』です。
英語に訳すのが難しい日本語はたくさんあります。その全てではないにしろ、それをすんなりと、いとも簡単に、すっきり、綺麗に、美しい英語にしている見事な辞書です。それも、最初のページから最後のページまでですから、一度読み始めると途中で止めるのが難しい、と言うより勿体なくて止められません。それも編者名を見れば納得です。サイデンステッカー氏と松本道弘氏ですから。
例えば、ここに広げた2ページを見ただけでも、「ひとかどの人物」という日本語で説明するのさえ難しい単語は、一刺しで「somebody」です。「お人よし」も難しいですが、「soft-hearted」つまり、「心がソフトだ」あるいは「心がやわだ」です。そして「人事(ひとごと)ではない」も、核心を突いています。「You might be next.」、訳すと「次はあなたかもしれない」。核戦争の危険性について、被爆者が言い続けて来た本質をズバリそのまま英語に訳してくれています。
ここまで読んで、アマゾンをクリックしたくなった方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの本、出版元では品切れ、重版は未定です。中古品はあるようですが――。
という訳で、できるだけ早く重版が出版されるよう、出版社に働き掛けるのが次の私の「目標」になりそうです。
[お願い]
この文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。




