Those who cannot remember the past are condemned to repeat it. (George Santayana)
――高市総理、そして日本政府は過去を知らない――

「棚上げ」が正しい選択だった
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「存立危機事態」などということを、「今」という時点で持ち出して我が国が戦争をする意思があり、参戦するぞと言わんばかりの言辞を弄する必要が全くないにもかかわらず、高市総理はそれを持ち出して、「寝た子を起してしまいました」。
「寝た子」とは言え、日中間には様々な問題があり、あちらこちらで小さな波紋が生じていますが、それは両国間の「大人」の対応でそれなりに処理されつつ、その中でより大きな流れに従いつつ、世界の動きとともに日本も他の国も変って行く、というのが比較的穏当な世界観なのではないかと思います。やや、楽観的に過ぎるかもしれませんが、これの変奏曲くらいの範囲に収まると見ても良いでしょう。
それが突然、「存立危機事態」です。そのことから、冒頭のサンタヤーナの言葉を思い出しました。「過去を記憶できないものはその過去を繰り返す運命を背負わされる」です。高市総理、そしておそらく日本政府全体も「過去」、それも近い過去を忘れてしまっているのではないでしょうか。
それは尖閣諸島の国有化です。
《時系列的お浚い》
1972年 田中角栄・周恩来の間で、尖閣列島問題は「棚上げ」することで合意。それを元に日中国交正常化。
2012年 石原東京都知事が尖閣諸島の購入を表明、野田内閣が国有化
これだけではまだまだ良く分らない方が多いのではないかと思いますので、2017年の9月に元中国大使の丹羽宇一郎氏が『東洋経済』に書かれた記事、「田中角栄×周恩来「尖閣密約」はあったのか 日中問題は45年前の智慧に学べ」をお読み下さい。
《棚上げの経緯》
高市総理の「存立危機事態」同様、2012年の石原都知事による尖閣諸島購入発言も唐突なものでしたが、はたから見ていると、高市・石原両氏の心の内側で燻っていた、あるいは熟していた内向きの怨念が噴出した感がありました。
どちらも中国や台湾を刺激して、戦争への道につながる可能性のある事なのですから、第二次世界大戦を思い出しても、冷静に客観的に力関係を考える必要のあることは言うまでもありません。そして高市総理の場合は、石原都知事の早とちりが原因になった尖閣の事例が頭にあって当然でした。
付け加えておけば、田中・周合意では、「この問題は複雑で、我々の世代では解決できないだろう。解決するのは、我々より賢い世代の人たちに任せよう」という言葉もあったということを、当時私たちは聞かされました。石原・高市両氏とも、自分こそは田中・周組の知恵や経験を凌駕しているという自負があったのかもしれませんね。
《外務省の画策?》
もう一つ重要なのは、田中・周合意は、外務省の文書には残っていないことです。丹羽元大使でさえ、それを根拠に合意はなかったと信じていたくらいですから、この点に触れない訳には行きません。丹羽元大使は横浜市立大学名誉教授(当時)の矢吹晋氏の研究によって、また丹羽氏個人の経験から、田中・周合意のあることを確信しています。
そして外務省の文書にその記録が残っていないのは、外務省が削除したのではないかという矢吹氏の考え方を紹介し、自らもそうではないかと推測しています。その当時ではまだ、このことに疑問符をつける人も多かったかもしれませんが、森友・加計・さくら問題で、財務省はじめ、高級官僚たちの指示で、公的文書が改竄・捏造・削除・廃棄されることが日常茶飯事として行われている事実を知っている私たちに取っては、政府のやり方としての「standard procedure」であることが分ります。
その傍証として、私が国会議員の時、私が質問した言葉や文章が、私の許可なく、議事録から消されていたことが複数回あった事実を皆さんにお伝えしておきます。
皆様にとって、きょう一日が素晴らしい24時間になりますよう!
[2025/11/19 人間イライザ]
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