――松元ヒロ、石川健治お二人は圧巻でした――
7月22日の土曜日、広島弁護士会館で素晴らしいパーフォーマンスと講演を聞くことができました。お一人は、スタンダップコメディアンの松元ヒロさん、そしてもう一人は東大法学部教授の石川健治さんです。
そのレポートを、広教組の有田智樹さんが寄稿してくれました。もう一人のスター・ライターの登場です。
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日本国憲法くんに聞いてみたい
以前、ある活動家の方が次のようにおっしゃられた。
「私たちは護憲勢力ではない。憲法第9条をはじめ、生存権などを今、変えてはいけない条文を恒久法へと改正していく、いわば『改憲勢力』でなければならない」と。
確かに、今の内閣に、今の与党に憲法を「改悪」されたくはない。しかし、だからといって「良い方向へ」といえど、「改憲」してもよいのだろうか?その言葉が、ずっとどこかに「引っかかり」を残していた。
7月22日(土)、広島弁護士会館にて、「憲法施行70周年、今、ヒロシマができること」と銘打って集会が開かれた。日本弁護士連合会と中国地方弁護士会連合会の共催で開かれた集会に、市民、民間団体等、大勢の人が集まった。
集会では、元ニュースペーパーの一員で、スタンダップコメディアンとしてソロ活動されている松元ヒロさんが、ステージに立たれた。松元ヒロさんは、今の内閣総理大臣、防衛大臣をはじめ、政治の正解を痛快に笑い飛ばしてくれた。また、ステージ最終盤には、自らを「日本国憲法」となって演じ、それはまるで「参加者への改憲への警鐘」であった。歯切れの良さ、スピード感、そして、最終盤の「憲法くん」では日本国憲法前文を、一言一句間違わず、暗唱した。その姿は圧巻そのもの。会場は静まりかえり、そして拍手喝さいだった。
次に「日本国憲法施行70年の今、考えるべきこと」と題し、東京大学法学部教授の石川健治さんより講演を受けた。石川さんは、憲法のもつ理念とその構造、そして私たちの個人生活に密着している憲法9条とその背景にあるものについて話しをされた。石川さんは、現在の改憲論のポイントとして、憲法の現状を変えないと言いながらも、9条に自衛隊の正統性を盛り込もうとしている事を見過ごしてはならず、私たちが阻まなくてはならないとした。聞き心地の良い言葉を用いての改憲提案であるが、9条がどのような役割を果たし、またどのような役割を果たさなければならないのかという事。その中で、9条を守るヒロシマの役割はとても大きいものであると論じた。改めて、憲法をもっと身近に感じられ、また重要性を考えさえられる集会になった。
皆さんよくご存じの古舘伊知郎さん。この方が、某局の報道番組を降板される前に、ある特集を番組内でオンエアーした。内容はドイツのワイマール地方を訪れ、当時世界各国から「最も民主主義的な憲法」として讃えられた、かの有名な「ワイマール憲法」についての特集であった。当時世界の中で「最も民主主義的」な憲法であったにもかかわらず、なぜ第2次世界大戦という戦争の引き金を引くことになったのかを、わかりやすく解説された内容であった。理由はいたってシンプル。政権を持つナチスに、国家発動権を議会で付与してしまったことだ。それは、ファシズムという亡霊に国民が引きずられ、一握りの権力に「主権」を「明け渡した」瞬間であった。その後、どのようになっていったのかは、誰もが知る事実である。
どこか、今の日本にそっくりではないか?まったくもって、戦前復古の道が再び開きかけてはいまいか。私たちが許してしまえば、この国の「危うさ」はもはや思い過ごしではなくなる。今、30代を終えようとしている人生だが、憲法くんはその倍を生きてきた。本当に憲法くんが、しゃべるとしたら、今の私たちに、今のこの世界になんと語るだろうか?
[by 広教組 有田智樹]
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石川教授の講演を敷衍したインタビューがWebRonzaに掲載されています。有料のサイトですが、憲法問題の重さを伝えたい朝日の心意気でしょうか、石川教授のインタビューは無料で読めます。URLは
http://webronza.asahi.com/free/list.html
それだけで十分だと言っても良いのですが、やはり私がどう咀嚼・理解しているのかもお伝えしたいので、次回から、石川教授の講演内容を報告したいと思います。
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