『世界』7月号をお読み下さい
――核拡散・核廃絶についての対談が載っています――

ミドルパワーがカギを握っています
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《『世界』の7月号をお読み下さい》
核不拡散をテーマとして、カナダの平和活動家である、フィルダウス・カラスさんと私の対談が掲載されています。カラスさんは、「核軍縮のためのカナダ、リーダーシップの会」の運営委員として、最近カナダ政府に対して、重要な提言をしています。
今のままでは、核武装をしようとする国が20カ国にもなってしまうかもしれないほど世界は混乱しています。それを正常に戻し、かつ核不拡散と核廃絶の方向を確実にするためには、カナダだけではなく、日本、ドイツ、オランダ、トルコ、メキシコなどの「ミドルパワー」(中堅国家)が連携して事に当たる必要があることを強調する提言です。
ここで紹介しておくと、フィルダウス・カラスさんはカナダの平和活動家で、社会起業家、メディアプロデューサーとしても著名です。1995年に「チョコメート・ムース・メディア」を設立して、核廃絶や暴力削減などのテーマに関するコンテンツを多言語で作成配信しています。国連の関連メディアでも活用されていますし、カナダ最高の勲章である「カナダ勲章」を受賞しています。
この対談は4月24日に行われたのですが、その直後に渡米しNPT再検討会議の傍聴やサイドイベントに参加しました。この対談の内容にも触れていますので、4月27日のサイドイベント、「Reducing the Risk of Nuclear War」でのスピーチから,対談に関係のある部分を抜き書きしてお届けします。とは言え、『世界』の対談の方が分り易いと思いますので、是非、そちらをお読み下さい。
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《Middle Powers》
そこを出発点に、今日三つの角度からの考察をお届けします。一つ目は、「Middle Powers」を中心にして新たな枠組を作ることの重要性です。「Middle Powers」の力で国際政治を変えようというのが、カナダ政府の提案ですが、その中で「Middle Powers」として言及されている二つのグループのリストをここに掲げておきます。
Stockholm Initiative members: Argentina, Canada, Ethiopia, Finland, Germany, Japan, Jordan,
Kazakhstan, the Netherlands, Norway, Republic of Korea, Spain, Sweden and Switzerland (15か国)
NPDI members: Australia, Canada, Chile, Germany, Japan, Mexico, the Netherlands, Nigeria, Philippines, Poland, Turkiye and UAE (12か国)
重複しているのは、カナダ、ドイツ、日本、オランダ、です。
《人類史の岐路に立つ日本の役割》
二つ目は、流動性の結果、日本が核武装するか否かを迫られる事態が起きてもおかしくない状況があります。その際に日本が核武装するか否かによって世界が大きな影響を受けます。日本が正しい選択をするように、世界の市民社会も知恵を絞らなくてはなりません。
《「One of them」にはならない選択を》
IAEAのグロッシ事務局長予測の通りの「水平拡散」が起きたとして、日本は核武装をするのでしょうか。
答えが「イエス」だったとすると、日本は新たな核保有国中の「one of them」にしかなりません。その中で突出した役割は果せないでしょう。また「自主決定優先主義」が崩れることで、自分自身に対する誇りは失われるでしょう。
日米関係も変化します。「自分の核があるのに、アメリカの核は必要ないだろう」と言われて、引導を渡されるのが関の山です。中国との関係も悪くなります。アメリカという盾がなくなれば、日本と中国が核兵器を手にお互い同士向き合ったとして、日本に勝ち目はありません。被爆者をはじめとして日本国内でも政府を信頼する人は激減するでしょう。
そのような状況では、他国との競争がより苛烈になりますが、そんな中で日本が勝者になり、安保理の常任理事国になることなど、他国が許すはずはありません。
《全ての国が核武装するか、先制不使用を宣言するか》
しかし、最大の問題は、そんなみみっちいことではではないのです。世界の国々は、「唯一の戦争被爆国」の重みを知っています。その日本が核武装すれば、世界からタガが外れます。倫理的・歴史的・人道的な意味で核兵器はいけないものだという真実に基づいた、「神聖な」レベルの地位を占める日本という国の「神格」が崩れてしまうのです。
核推進論者は、これに力を得て、核武装に励むでしょう。そして世界の全ての国が核保有国になったとき、必ず核兵器を使う国が出てきます。一発で止まることはあり得ません。エスカレートの結果、人類は滅亡します。
その原因を作ってしまう立場に、日本は置かれるのです。日本が核武装をするのかしないのかが、人類の帰趨を決めるのです。
日本は核武装してはいけません。
このように理性的な判断が、日本政府のこれまでの特徴なら心配はないのですが、実は日本政府を説得するのはそれほど簡単ではありません。しかし、より大きな目標と合わせて、しかも中堅国家の賛同が得られれば、日本の核武装を阻止できるだけでなく、世界を大きく核廃絶の方向に引っ張ることができるのです。
それは、2035年までの「先制不使用宣言」を前面に出して、核保有国との交渉を行うことです。日本の核武装が世界にとって如何に危険なのかを説明した上で、中堅国家30カ国が核保有国に膝詰め談判を行うのです。「我々30カ国は核武装しない。その代りに、核保有国も2035年までの「先制不使用」を約束しろ」という「ディール」を勝ち取るのです。
核保有国が「イエス」と言わなければ、30カ国が核武装し、それは全世界に広がります。ですから、この立場は無視できません。
「2035年までの先制不使用」を目指すよう、日本政府を含む中堅国家群を応援し、方向性を与えるのは世界の市民社会です。
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皆様にとって、今日という一日が良き日になりますよう、祈っております。
[2026/6/7 人間イライザ]
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