ヒロシマの心を世界に [春宵十話]

核のない平和な未来を創るために

スマホ対策はオーストラリアに続け ――子どもたちをスマホから引き離せ――

スマホ対策はオーストラリアに続け

――子どもたちをスマホから引き離せ――

学校にはスマホは要らない

 広島ブログ

ブログ激励のため、上のバナーをクリックして下さい

 

オーストラリアでは16歳未満の子どもたちにソーシャル・メディアを使わせないという法律が施行されましたが、我が国では逆にAIの使用率80%を目指す方針ですし、子どもとスマホとの危険な関係について、識者の中でも十分に認識されていないようです。

この点について、私自身かねてから心配していました。次回以降御報告しますが、広島市では2003年から、電子メディアと子どもたちとの関係を健全なものにするための施策を展開していました。

私自身のそれまでの経験や勉強・思索を元にしての結論なのですが、(当時の最新の調査・研究の結果も勿論踏まえています)、今回紹介しているJonathan Haidt (ジョナサン・ハイト) 著の『The Anxious Generation』 (『不安に取り付かれた世代』と仮に訳しました。また「不安」と略します) では、スマホに焦点を合わせて、2009年以降の急激な変化を詳細かつ説得力のある形での「現実」として、私たちに対応を迫っています。

重大な問題ですので、重複を避けずに問題提起を続けます。第一歩は、これまで人類の進化の過程で積み上げられてきた、子どもを育てるためのシステムがスマホによって歪められている現実を直視することです。

このシステムの柱は「遊び」です。遊びを中心に子どもたちを育んできた世界の特徴として、四つの要素があるとハイトは指摘します。簡単にまとめておきますが、この点については12日の本ブログを御覧下さい。(リンクを開くには、右クリックして新しいタブを開いて下さい。)

伝統的な「遊び」中心の世界の特徴は、

  1. 身体が本質的に関わっている。
  2. 周りの人たちと時間を同時に共有している。
  3. コミュニケーションは高々数人を限度として、一人または数人との関係。
  4. このコミュニケーションの輪に入るためのバリアーが高い。

対照的にスマホでのやり取りでは、

  1. 身体は関与していない。
  2. 即時的なやり取りでなくても良い。
  3. 相手とのやり取りが直線的ではない。
  4. 参加のためのバリアーは低い。

その結果として、「遊び」の代りに「スマホ」を中心に据えた子ども時代を過ごす事で、子どもたちは次の四つの基本的な害を受けてしまうとハイトは指摘しています。 (こちらも、12日のブログを参照して下さい。)

  1. 人付き合いにおける貧困。
  2. 睡眠不足。
  3. 注意散漫になる。
  4. スマホドーパミン獲得の手段として使用し、企業はそれを奨励するサービスを提供。

それが子どもたちの精神面にも大きな影響を与えていますが、被害状況は12月6日の本ブログと12月13日の本ブログを御覧下さい。

こうした状況に対処するためには、基本的に子どもたちをスマホやソーシャル・メディアから引き離さなくてはならない、とハイトは考えています。具体的には次のような措置が必要だと述べています。これまでの説明から充分納得のいくものだと思います。4つの基本的な改革です。

  1. 14歳未満の子ども、つまり高校生になるまではスマホを持たせない。それまでは基本的に文字のやりとりができるだけ、そして通話のできるだけの電話を使わせるということです。
  2. 16歳未満の子どもにはにはソーシャル・メディアを使わせない。これまでも見てきたように、コンピューターのアルゴリズムとして作られ、提供されている内容を持つスマホ、そしてそこではインフルエンサーとの比較が限りなく行われる環境で子どもの自己肯定感を損ねてしまうからです。
  3. 学校からスマホを追放する。授業中にスマホを禁止するだけではなくて、学校の中ではスマホへのアクセスを完全に断ってしまうことが大事です。ハイトとの研究によると、生徒同士、それから先生との間に必要な「注意力」を維持するためには、それが唯一の方法だからです。

それを示している研究があります。学校でのスマホとの距離を次の三つのグループに分けることにします。第一群はロッカーのような場所にスマホを完全に隔離してしまうグループ、第二群は、スマホは使わないけれども、自分の近くにあるカバンの中に入れておくグループ、そして最後の第三群は、スマホは使わないけれど、机の上に置いておくグループです。この三つに分けて授業を受けさせ、その後みんな同じ試験を受けました。

その結果は、第一群のロッカーにしまったグループが一番結果が良く、その次がカバンにしまったグループ、そして机の上に置いてあったグループが一番成績が悪かったという結果になりました。使わないというだけでは注意力が散漫になることは防げないのです。どのくらいの覚悟でスマホを遮断しているのかが子どもたちの気持に大きな影響を与えているのです。ですから、学校では一定の場所を設けそこにスマホを完全に隔離してて鍵をかけておく必要があるのです。

   4. 大人の管理のない遊びと子供たちへの独立を保障すること、子供たちが自ら
     試み、そして失敗をしてその結果として学ぶと言う機会を作らなくてはいけ
     ないと言うことです。

以上、遊びを元にした子ども時代を過ごさせるため、スマホからの隔離が必要だということですが、1から3まで、スマホの扱い方について、日本社会が全く問題意識持っていないということがとても大きな問題だと思います。

次回はこのようにスマホとの距離を取ることによって、子どもたちにどのような環境を作り出そうとしているのか、少し抽象的な枠組みから整理をしておく必要があるとハイトは考えています。それを示します。

 

皆様にとって、きょう一日が素晴らしい24時間になりますよう!

[2025/12/14   人間イライザ]

[お願い]

文章の下の《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。

広島ブログ