ヒロシマの心を世界に [春宵十話]

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台湾に向けて軍艦が出れば、日本が参戦? ――そんなに戦争がしたいのか――

台湾に向けて軍艦が出れば、日本が参戦?

――そんなに戦争がしたいのか――

クマ対策の方が緊急では

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衆議院予算委員会での高市総理の答弁で、「台湾に向けて某国が軍艦を出せば、それは存立危機事態である可能性」があるという趣旨の答弁をしました。詳しくは、産経新聞のディジタル版を御覧下さい。

この発言については問題点が多過ぎますので、ここではあまり他の方々が取り上げていないであろうに点のみ考えてみます。まずは、「存立危機事態」の定義です。「コトバンク」中の共同通信ニュース用語解説 「存立危機事態」の解説を引用します。

  存立危機事態

  自衛隊による集団的自衛権の行使が可能だと日本政府が判断する事態の呼称。安全
  保障関連法は「密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かさ
  れ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事
  態」と定義している。「国民を守るため他に適当な手段がない」「必要最小限度の
  実力行使にとどまる」と併せて「武力行使の新3要件」を満たす場合に、集団的自
  衛権の行使が認められる。

ここで問題になる「他国」とは、アメリカのこととしか考えられません。「台湾有事」と言っても、日本は中国を正式に認めている上、中国は台湾を中国の一部だと言っているのですから、中国が台湾を攻撃してもそれは、「密接な関係にある他国」が攻められたことにはならないはずだからです。

となると、「密接な関係にある他国」とはアメリカ以外には考えられません。そして、台湾が攻められたとしても、それがアメリカに対する武力攻撃であると断定するのには随分無理がありますよね。台湾にはアメリカの基地はありませんし、100人程度の軍人が派遣されているだけだからです。

「存立危機事態」の定義によると、「他国への武力攻撃」が原因で(と読むべきなのでしょうが、戦争したい人たちには別の解釈があり得るかも)、日本の国民の生命、自由、幸福の追求が脅かされるという結果が生じた場合に、日本が武力攻撃できるという規定なのですが、最後の日本国民に生じる脅威が、「軍艦の出動」にどうつながるのかは全く見えてきません。

それどころか、過去これまでの数十年に某国が軍艦を出動した結果として、日本国民の生命、自由、幸福の追求が脅かされた事例はありません。

「生命、自由、幸福の追求」というなら、早急に、クマ対策をすべきなのではありませんか。朝日新聞によると今年に入ってからだけでも、クマによる死者数は13人ですし、クマの出没も2万件を超えています。

地震や台風、豪雨等の自然災害についても、被害が生じてから腰を上げるだけの対策を抜本的に改めなくてはならないのと同じ次元でクマ対策も始めなくてはなりません。自治体の要請で自衛隊を派遣するだけではなく、人間社会に悪影響の及ばない形でのクマとの共生ができるシステムを作る時期が来ています。

もう一点、「存立危機事態」は、日米安保条約の枠内での概念だと思いますが、それが双務的なものなのかどうか、私たちはもう少し冷静に考えておくべきです。

高市総理の解釈だと、某国が軍艦を台湾に向けて出動させるとそれは我が国の国民の生命、自由、幸福の追求に対する脅威になり、自衛隊が出動という結果につながるというのがシナリオです。

では、思考実験として考えた場合、アメリカ軍が出動する場合はどんな場合なのでしょうか。某国が、日本の近くの国を攻撃したときに、アメリカがそれを自国民の生命、自由、幸福の追求への脅威だと考えて、アメリカ軍を出動させる可能性のある国とはどこなのでしょうか。

近くの国でその要件を満たすのは韓国、台湾(国という定義からは微妙ですが)くらいでしょうか。そして日本そのものですが、アメリカ国民の意識として、仮に日本が攻められたとして、それをアメリカ国民の生命、自由、幸福の追求への脅威と受け止めるのかどうか、大きな疑問符が付きます。

そんな全体像を描きながら、再度、日米安保について考え直さなくてはならない時期になっています。

 

皆様にとって、きょう一日が素晴らしい24時間になりますよう!

[2025/11/9   人間イライザ]

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