数学の効用 (5)
――感動を伝える――

京成電鉄の路線図。右下の方に「西登戸」があります。
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数学を学ぶことの意味を考えていますが、その一つは感動を伝えることです。
その前提として、新しい表現手段を手にするという効用を挙げておきました。それは俳句とか絵画、音楽といった分野についても同じように当てはまります。
俳句で感動した例としては、蕪村の「菜の花や月は東に陽は西に」を小学生の時、教科書で読んで感動したことを覚えています。千葉で育ったのですが、その頃の千葉市内にもずいぶん広い菜の花畑がありました。そこに月と太陽が東西に別れて見えるという景色を、自分で見たことはなかったのですが、菜の花畑の美しさを月と陽がさらに高めて表現していることに感動したのだと思います。
友達の家で、ベートーベンの交響曲第6番「田園」を聞いたときの感動も忘れられません。そして、デンマークのノルデ・ミュージアムでエミール・ノルデの絵画に触れたときの感動も思い出します。
そして数学の方では、このシリーズでもお伝えしていますけれども、二次方程式の解法を少年院で教えた高橋一雄、瀬山士郎、村尾博司のお三方が書かれた『僕に方程式を教えてください』から大きな感動を頂きました。
その柱として、二次方程式の解法の公式をどう導くのかというプロセスとその教え方が取り上げられています。
このブログで公式何種類か手の公式の導き方もお伝えしたいのですが、数学式を簡単に表現できるソフトがありませんし、簡潔かつ分り易く説明できるかどうか分りませんので、御紹介した本の36ページ39ページ41ページ、そして202ページと203ページを御覧下さい。
また、言葉から数式という新たな表現に移行することについても、例えば194ページから195ページも参考にして頂けるとありがたいのですが、説明をしながら私自身、普通の日本語から数式に移行するプロセス自体が感動に値するものであると改めて感じいます。
実は方程式に感動したのは、小学生の時でした。当時、私が住んでいたのは、京成電鉄の千葉海岸という駅のすぐそばでした。(今は西登戸というつまらない名前になってしまいました。)
その駅の木村さんという高校卒業したての駅員さんと仲良くなりました。その前にあった交番のお巡りさんともとても親しくなって、弟と一緒に毎日のように駅と交番に遊びに行っていました。
ある時、木村さんがクイズの問題を出してくれました。
まず何でもいいから、数字を考えてごらん、その数字を当てて見せるから、ということでした。
当てるには、マジックが必要だから、その数字にいくつか数を足したり掛けたりした答えを言って御覧ということでした。
「まずその数字を3倍してごらん。それに5を足してみて、その数を今度は2倍してみていくつになる?」
その数字を言うと最初に考えていた数をぴったり当ててくれたのです。何度やっても間違える事はありませんでした。
その謎は、方程式という数学の言葉を理解すれば解けるのだということも教えてくれました。そこで木村さんにお願いしたのは「僕に方程式を教えてください」でした。ですから、高橋・瀬山・村尾三氏の著書のタイトルは、私にとっては感動の代名詞だったのです。
今までの説明で、数学を学ぶという事は、実は数学に感動する体験を伝えたいのだという意図が十分に果せたとは思いませんが、せっかくその努力を始めましたので、もう少しこの説明をブラッシュアップしてより良く伝わるように工夫をしてみたいと思っています。
ことに寄ったら、ずいぶん退屈なトピックにお付き合い頂いたのかもしれませんが、改めてお礼を申し上げます。
皆様にとって、きょう一日が素晴らしい24時間になりますよう!
[2025/10/11 人間イライザ]
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