ヒロシマの心を世界に [春宵十話]

核のない平和な未来を創るために

世界核被害者フォーラム ――歓迎レセプションでの挨拶――

世界核被害者フォーラム

――歓迎レセプションでの挨拶――

夜の慰霊碑



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10月の5日と6日に世界核被害者フォーラムが開かれています。

前日の4日の夜、この会議に参加される皆さんのための歓迎レセプションが開かれました。そこで歓迎の挨拶をしましたので、その内容をここにアップしておきます。

国際会議ですので、原文は英語で作りました。それをCoPilotに日本語に訳して貰ったものに最小限、手を入れただけですので、てにをはとか仮名遣い等、不十分なところがあります。伝えたいことは十分に御理解頂けると思います。

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歓迎のご挨拶
広島市長・原水禁顧問  秋葉忠利
2025年10月4日

広島市長として、広島・長崎原爆投下80周年という厳粛な節目に、世界核被害者フォーラムにご参加の皆様を心より歓迎いたします。

軍事利用だけでなく、産業利用による核被害者の皆様がここに集い、核エネルギーの利用およびそれに関連するすべての過程が、人類文明への最もあからさまな裏切りの一つであることを指摘されることは、非常に意義深いことです。

詳細に立ち入る必要はないと思いますが、10年前に皆様が採択された「宣言」が、この事実を象徴する画期的なものであったことを思い出していただきたいと思います。核時代がもたらすもの全てについての包括的な概要、被害者の権利の定義、そしてこの忌まわしい状態から脱却するための明確な道筋を示したことは、世界的かつ人道的な大義への大きな貢献でした。すべての核活動を禁止しましょう。

ここで、過去10年間で現実となった宣言の項目を一つだけ挙げます。それは「核兵器禁止条約」の成立です。

今夜は、皆様のご努力に加え、2つの行動提起を紹介させて下さい。これらは、2045年、広島・長崎原爆投下100周年に「核兵器のない世界を祝う」ための準備の一環です。

一つ目は、2045年までにすべての核兵器を廃絶するための行動計画です。その中間目標として「先制不使用」を2035年までに宣言させることです。現在、ロシアが核兵器の使用を示唆している中、すべての核保有国に「先制不使用」を宣言させる努力は不可欠です。

詳細については、私たちの行動計画の概要を配布させて頂いています。1970~80年代の「核凍結運動(フリーズ運動)」に匹敵する世界的な市民運動を築こうとしています。ぜひご参加ください。

二つ目は、より学術的な提案であり、日本政府にその責任を果たし、計画を実行するよう求めています。

私が広島市長だった時、日本や世界の大学と協力し、「広島・長崎講座」という学問分野の設立を提案し支援しました。これは、特に米国で発展したホロコーストスタディーズをモデルとしたものです。ホロコーストスタディーズは、第二次世界大戦中のホロコーストを二度と繰り返さないことを目的としています。

このような学術的仕組みの重要性は、世界の指導者たちが何を主張し、何を主張しないかを考えると明らかです。

責任ある世界の指導者が国家安全保障のために強制収容所を作ることを公然と主張することはありませんが、多くの指導者は国家安全保障のために核兵器保有することを公然と主張しています。

その理由の一つは、歴史に対する知的理解によって導かれる暗黙裡の世界的合意が、政治家たちの態度を決定づけているからかもしれません。そして、ホロコーストの悲劇と核兵器の悲劇に対する理解のレベルには大きな隔たりがあります。私は広島市長として、広島・長崎講座の創設が必要だと強く感じていました。

複雑なパズルの中の一つのピースを取り上げるだけで、核兵器ののような世界的課題を解決することはできませんが、世界中の学術機関で広島・長崎講座を設置することは、確実に正しい方向への貢献となるでしょう。

しかし、今ガザで起きていることを目の当たりにし、さらに高い目標を目指さなければならないことが明らかになりました。私が間違っているかもしれませんが、ホロコーストスタディーズでさえ、私たちが今目の当たりにしているガザでのジェノサイドを防ぐことはできませんでした。

ですから、私が提唱してきた広島・長崎講座には、より高いレベルの目標を掲げなくてはなりません。それは、被爆者の「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」というメッセージを、世界的に効果的に発信する学術的な仕組みを創ることです。

非常に壮大な目標ですが、誰かが提唱しなければ広まりません。日本政府が本当に日本国憲法に掲げられた目標に貢献したいのであれば、その努力をしなければなりません。

私たちの活動は続き、ますます重いものになっているのかもしれませんが、今年のこのフォーラムが新たなエネルギーを運動にもたらし、2045年までに核兵器廃絶というグローバルな目標達成に皆様が貢献してくださることを願っています。

皆様のフォーラムが、未来の世代に記憶される意義あるものとなることを願っています。

ありがとうございました。

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レセプションでは、山梨に本拠を持つNPO法人である世界被爆者展の事務局長さん、そして東京新聞の福島特別支局の記者さんと熱い意見交換をすることができました。また沖縄の三線グループの皆さんからも温かい強い連帯の御挨拶を頂きました。大きな元気を頂きました。

 

皆様にとって、きょう一日が素晴らしい24時間になりますよう!

[2025/10/5     人間イライザ]

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