ウクライナ停戦の可能性 (1)
――楽観的シナリオと悲観的シナリオがあります――
まず、悲観的なシナリオを考えましょう。そのために前回も引用したルメイ将軍のもう一つの言葉から始めます。
ルメイ少将の提出した東京空襲の戦略的作戦レポート
アメリカのNational Security Archiveから
「もし、この戦争に負けていれば、私は戦争犯罪人として裁かれただろう。幸運なことに、我々は勝利者だ。」
“I suppose if I had lost the war, I would have been tried as a war criminal. Fortunately, we were on the winning side.”(「The General and World War III」by Richard Rhodes in New Yorker Magazine, June 11, 1995)
これは、東京空襲やその他の都市の空襲、そして広島・長崎への原爆投下すべてについて、ルメイ将軍が、その非人間性と国際法違反であることを認識していたことを示していますが、今回、この引用をしたのは、そのような認識と現実の戦争との乖離を示すためです。
つまり、戦争をする側にとって一番大切な原理が「勝てば官軍」であることを明確に示している点です。さらに、「戦争犯罪人」にならないためには、「戦争に勝つ」という至上命令を実現しなくてはならないという結論も重要です。悲観論の出発点はここにあります。
仮にプーチン大統領が、圧倒的多数の「戦争反対」という世界の世論を感じていて、「負ければ戦争犯罪人」という結果になることを読んでいれば、「戦争に勝つ」という目的をどのような手段を取ってでも達成しようとするでしょう。であれば、自分で「勝った」と思えるまで戦争は続くでしょう。(続けようとしても、ロシアが負けてしまうという結果にならない限り、ですが。)
それに対抗するためには、ウクライナとNATO (アメリカも含めて) は、武力でロシアを屈服させるしか方法がなくなります。
長引く戦争を終らせるために、プーチン大統領が核兵器や化学兵器等の大量殺戮兵器を使うという可能性も高くなります。実際に使うかもしれません。
こんなシナリオが考えられるのですから、「悲観的」と呼んだのですが、それに対して私たちは何ができるのか、次回、考えてみましょう。
[2022/4/17 イライザ]
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