トウキョウで生まれて千葉で育ち、高校からはずっと東京が活動の中心でしたので、食べ物の好みには東京味の影響が大きく残っています。広島に住み始めてから一時はうどんにはまったこともあったのですが、年取るとやはりそばに惹かれます。東京では今でも、道を曲ると蕎麦屋がある、くらい多くの蕎麦屋がありますし、そのどれに入っても先ず外れることがありませんので、安心です。でも広島で東京味のそばを食べられるところはそれほど多くありません。その一つが福屋の8階にある「永坂更科 布屋太兵衛」です。
いつもは、かき揚げとだし巻を一つずつ、後は御膳蕎麦と太兵衛蕎麦を注文して少しずつ分けるのですが、今回はいろいろ事情があって、かき揚げざるとだし巻ということになりました。こちらがかき揚げざるです。
蕎麦は色の黒い太兵衛蕎麦ですので、私が注文しました。びっくりしたのはかき揚げです。それがこちら。
ずいぶん盛り上がっていますね。三次元的なかき揚げです。となると思い出すのが飯田橋の一真です。前に取り上げましたが、一真のかき揚げがこれです。
サクサクして美味しいのに吃驚したのですが、実はつい先日まで、広島の永坂更科の味が「ちょっと」と思うようになっていたのです。いつも注文するかき揚げとだし巻が、東京とは少し違った味になったような気がしていたのですが、今回、それが元に戻りました。いやそれ以上かもしれません。だし巻も、甘さと柔らかさが丁度良い塩梅で楽しめましたし、永坂更科の名物、あま汁とから汁も健在です。
でも、飯田橋の一真との比較でもう一つ気が付いたのは、ことによると、このような3次元的かき揚げが最近、東京では流行っているのではないかということです。昔の東京でもこんなかき揚げは見たことがありませんので、新潟風の料理の影響かもしれないと思ったのですが、そうではなく、単に東京の流行りだとすると、両店のかき揚げの美味しさにも納得が行くのですが――。
最近、原宏一さんの作品にはまっていて『ヤッさん』や『星をつける女』シリーズを読んでいますので、その中の世界の視線で考えるようになりましたが、広島にも東京から、「テコ入れ屋」とか「再建屋」といったプロの職人さんたちが入って来て、味と店舗営業の再建をしていったのではないか、などと自問自答して一人悦に入っています。原宏一さんのシリーズについてはまた稿を改めますが、「原宏一」ワールドで修行すると、「Z級グルメ」から少しは、進歩できるかもしれません。
[2019/7/9 イライザ]
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