「広島・長崎の記憶を伝える」-藤登弘郎・水彩画展
= 旧日銀広島支店 4月20日から23日=
昨日(20日)から、旧日本銀行広島支店で藤登弘郎(1936年生れ)さんの「ヒロシマ・ナガサキの記憶を伝える―被爆建物・被爆樹木・慰霊碑―」水彩画展が、開催されました。私もさっそく見に行きました。
藤登さんは、定年退職後水彩画を始められ、最初は全国の近代建築や町並みを描いてこられましたが、その後「失われゆく被爆の‟証人”を、自分なりに後世に残したい」と広島と長崎にある被爆建物や被爆遺構を水彩画で描き残そうと描き続けてこられました。さらに「被爆した兄から幾度も聞いた当時の光景を想像しながら絵筆を握りました」(自費出版「水彩画集・被爆建物は今」発刊にあたり)とも述べておられます。
藤登さんの水彩画展は、今回が3度目ですが、これまでは「被爆建物」と「被爆樹木」を描いたものでした。今回は、最近描いてこられた「慰霊碑」を中心とした展示となっています。藤登さんは、「すでに86の慰霊碑を描いてきましたので、ぜひ多くの人に見てもらいたいと思って今回開催しました。今回はそのうち35枚を展示しています。その慰霊碑の多くは、学校や職場の慰霊碑となっています」と話しながら、さらに慰霊碑を描く思いを「特に、学校の慰霊碑を回るたびに、どんなに多くの若い人たちが、夢や希望をもちながら、無念の死を迎えただろうかと思わずにはいられません。」と話していただきました。今回展示された作品の中には、山王神社の片足の鳥居など長崎の被爆遺構を描いた絵5枚も展示されています。このいずれの作品にも藤登さんの「平和への願いと祈り」の強い思いと「次の世代への伝承の願い」が込められています。また開催期間中の22日(土)午後1時から、同じ会場で「被爆ピアノ平和コンサート」が開催されます。藤登さんによれば、被爆ピアノを管理されている矢川光則さんから「一度は水彩画展とコラボした被爆ピアノ演奏会をしたいですね」と言っていただいていたことが今回ようやく実現したとのことです。
この展示会は、23日まで開催されています。被爆ピアノ演奏会はもちろん、ぜひ一人でも多く参観していただければと思います。
実は、藤登さんと私の出会いは、ちょうど10年前の2007年のことです。当時私は、写真家の鈴木賢士さんから「広島でぜひ東京大空襲写真展を開催したいので協力してほしい」という依頼を受けていました。写真展をやるなら「東京大空襲のあった3月10日中心に、会場は被爆建物である旧日銀で開催したい」と思い、広島市に会場の使用申し込みに行きました。同じ時期に自分の水彩画展を開こうと申し込みに来られていたのが、藤登さんでした。そして私の「どうしても3月10日を外せないのです」というわがままを聞いて、日程を変更していただいたのです。その縁で、今回の水彩画展の案内もいただいていました。
展覧会の成功を祈られずにはいられません。
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