なぜ延長された「かき船かなわ」の占用使用?
3月31日国土交通省中国地方整備局は、地元住民や被爆者団体などの反対の声を無視して、原爆ドームのバッファゾーンである元安川の元安橋下流で営業を続ける「かき船かなわ」に対し、今後10年間占用を許可する決定を行いました。
「かき船の移転問題」が明らかないなって以降、「かき船かなわ」の占用使用に反対し取り消しを求めて取り組みを進めてきた「原爆ドーム・平和公園地区へのかき船(水上レストラン)移転・新設を考える会」(以下「かき船問題を考える会」という)は、この決定に抗議し、昨日の昼休み、太田川河川工事事務所前で緊急の抗議集会を行いました。集会後、代表者5名が、許可権者である中国地方整備局丸山隆英局長あての抗議文と公開質問状を提出しました。
「かき船かなわ」の占用使用期間が終了する3月31日に向け「かき船問題を考える会」は、去る3月13日に、大手町2丁目町内会やパークハウス紙屋町管理組合、広島県被団協などともに「元安川占用許可の延長更新を行わない」よう申し入れを行ってきました。
しかし、こうした住民や被爆者団体の声が無視された形で、「占用使用許可」が出されたわけです。
「世界遺産原爆ドームバッファゾーン」内のしかも従来よりもはるかに原爆ドームの近い位置への「かき船」の移転・新設には、日本イコモスなどからも懸念表明が出されるなど、多くの問題が指摘されてきました。こうした基本的問題は今も続いていますが、今日は、今回の「延長手続き」での問題点の一つである「地域の合意」ということについて考えてみたいと思います。
国土交通省は、昨年5月「河川敷地占用許可準則」の一部改正を行いました。そこでは、占用期間満了後の継続にあたっては、「新たに指定する場合と同様に、公募による新規参入希望者の確認や所要の審査、地域の合意など適正に処理すること」としています。さらに国土交通省は、地域合意の大切さについて「河川敷地が基本的にその周辺住民の利用されることであるから、占用の許可にあたっては、地域の意見を聞いたうえで河川管理者が判断する必要がある」(2005年3月28日国河政第140号通達)としてきたのです。
私が特に指摘したいことは、今回の「占用使用許可継続」にあたって、国土交通省自らが求めている「地域の合意」形成が本当に図られたのかということです。「水の都ひろしま推進協議会で合意された」(ここでの審議のあり方にも大きな問題がありますが、それは別の機会に指摘します)では済みません。
3月13日の申し入れでも明らかなように、「かき船かなわ」が設置されている場所に最も隣接している大手町2丁目町内会や玄関先10mの場所に900Kgの「LPガスボンベ庫」が設置されたパークハウス紙屋町管理組合が、明確に反対の意思を示されているにもかかわらず、新たな10年という長期の「占用使用許可」決定に至る過程の中で、こうした住民の声は全く無視されてしまいました。今日の申し入れの際にも住民代表の一人からはそのことが、最も強く指摘されたのは当然のことです。昨年5月に改正された「河川敷地占用許可準則」が正しく解釈され適用されておれば、「占用使用許可の延長」は、なかったはずです。この点については、公開質問状でも第一に問いかけています。明快な回答が、示されることを強く望んでいます。
「かき船かなわ」の占用使用をめぐっては、これまで様々な問題点が指摘されてきました。私自身どうしても疑問に思うことは、「かき船文化」を否定するものではありませんが、広島市や国土交通省は、世界の人々の共有財産である「世界遺産原爆ドーム」が果たしている役割や価値よりも、説明もつかないような無理を通してまで、一民間企業の事業を優先させようとするのだろうかということです。私がそう考える理由のいくつかについて、これからもこのブログの中で明らかにしていきたいと思っています。
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