世界の焦点の一つはコロンビアです
今年のノーベル平和賞はコロンビアのサントス大統領に決まりました。オバマ大統領の歴史的広島訪問があった年ですから、被団協や被爆者に関係のある活動をしてきた団体の受賞への期待も膨らみました。それは、被爆後71年経ち被爆者が高齢化している今、被爆者の功績を世界的に認めて欲しいという強い気持の表れです。私も被爆者がこれまで勇気とビジョンを持って刻んできた足跡とその意味が、近い内にノーベル平和賞委員会に届くことを心から願っています。
同時に今回の受賞が示しているのは、世界の至る所で悲劇が続き、その解決のために働いている多くの人たちがいるという事実です。コロンビアは、その一つです。コロンビアでは、政府と左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」それに右派の民兵組織も交えての内戦が半世紀以上続いてきました。その間の死者は22万人、避難民は500万人とも言われています。
サントス大統領は2012年から積極的に和平交渉を行い、キューバやノルウェーの仲介もあり、両サイドは先月26日和平合意に署名しました。その後の国民投票ではこの和平案は否決されましたが、コロンビア政府とFARCはその後も和平協定の見直しのための協議は続けています。
ノルウェーは、核兵器の非人道性を訴えるための国際会議を開き、核兵器禁止条約締結のための世界的運動も国家として応援してきましたが、同時にコロンビアの内戦停止のためコロンビア政府とFARCとの仲介もしてきたのです。
これは国家レベルでの平和構築のための努力ですが、都市のレベルでもコロンビアの内戦は注目されてきています。
例えば、世界最大の都市と自治体の連合組織であるUCLG (United
Cities and Local Governments、世界都市・自治体連合と訳しておきます)の今年度の総会はコロンビアの首都ボゴタで開かれます。その総会で、「UCLG・ボゴタ市平和賞」が、都市レベルで紛争防止や紛争解決そして平和構築のための意義ある活動をした都市に送られます。今年が第一回目ですが、今後3年毎にこの賞が贈られる予定です。
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この賞は、2008年にハーグで開かれた、第一回都市外交会議で提案されました。そしてこの賞の選考とそれに関する運営や事務的なサポートをしているのは、5つの組織です。UCLGに加えて、バルセロナ地域会議、オランダのNGOであるPAX、オランダの都市協会、そしてボゴタ市です。
最終決定は10月12日から15日に開かれる総会中に、ファイナリスト都市によるプレゼンテーションの結果を踏まえて行われますが、ファイナリスト都市は5つあります。
① Canoas (ブラジル)――地域の暴力的行動の原因への対応策として、技術、社会的包摂、自警活動を組み合わせた施策を推進
② Cali (コロンビア)――地域の平和推進のために子どもと親とを巻き込んだワークショップの開催、ならびに地域単位の仲介者の養成
③ Palmira (コロンビア)――平和裏に共住することの大切さを子どもたちに伝えるために、「あなたの声は平和です」という音楽コンクールを主催
④ Kauswagan
(フィリピン)――反乱組織で活動していた人たちを活動から切り離し社会に受け入れるための施策推進
⑤ Shabunda (コンゴ) ――恒久的な平和委員会を作り、平和の構築、文民政府の権威の復活、地域民兵の地域への再統合、そして地域を孤立化から救済
コロンビアで開かれる会議ですので、コロンビアの都市が二つ選ばれている可能性はあるのかもしれませんが、それ以上に2008年から、UCLGもコロンビアに注目し、都市レベルでの和平支援を考えていたことは、世界がコロンビアに注目していた一つの証になるのではないかと思います。
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