核廃絶のためのいろいろな活動をする中で、通常では考えられないほどの国際的な広がりを持つ素晴らしい人々に出会い、貴重な情報を教えて貰ったり具体的な「教育」を受けたりしてきました。
その一人ジョン・ハラン氏と一番最近会ったのは、国連の核不拡散再検討会議準備会議でした。安保理事会の会議室の傍聴席で会議の様子を聞いていたのですが、通訳の声が聞こえるはずのイヤホンシステムが上手く動きません。どうしようかと思っている内に隣に座っていた、頭がもじゃもじゃの男性がサッと手を伸ばして直してくれました。どこかで見た顔だなと思っていたら、それがジョン・ハラン氏でした。オーストラリアの平和活動家です。
彼からの最近のメールで、北朝鮮のミサイル実験についての大切な指摘がありますので、御紹介します。「工場長」さんの指摘 と重なる部分が多いのですが、合理的に考える人たちは動かしようのない事実に基づいて、これも動かしようのない論理的思考をしますので、似たような結論に到達しても不思議ではありません。以下、ジョンのメールの要約です。
9月5日に米国は、ミニットマンIIIというミサイルの実験をしました。北朝鮮とは違って、このミサイルが実際に機能していることは十分に証明されていますし、正確さでも無比の記録があります。そして、このミサイルが搭載でき、最終的には投下できる核弾頭は、メガトン級のもの複数個という凄い能力を持っています。
2010年6月、米カリフォルニア(California)州のバンデンバーグ空軍基地(Vandenberg
Air Force Base)から発射される大陸間弾道ミサイル「ミニットマン3(Minuteman
III)」(2010年6月16日撮影)。(c)AFP/Air
Force/Joe Davila
米国はこのミニットマンIIIを年に3回くらいの頻度で実験しています。しかも米ロでは合わせて2000発近くの核弾頭を、一分以内に発射できる体制を取り続けています。
このミニットマンIIIの実験は、地元カリフォルニアのローカル・メディア以外ではほとんど取り上げられませんでした。
この実験に関しては、国際的に報道されることもなく、安保理事会の決議で注意を喚起することもありませんでした。ましてや経済制裁が加えられた形跡もありません。
全く同じ日に、北朝鮮が三発のミサイル実験をしました。その性能はミニットマンとは比べものにならないくらい劣っていますし、正確さで比べても実際に発射ができるかどうかさえも怪しいレベルのミサイルでした。さらに北朝鮮は、多く見積もっても10から15発の広島級の核弾頭を持っているに過ぎず、それも、ミサイルに積み込めるかどうかも分らないくらいの代物です。
にも拘わらず、北朝鮮の実験は国際的に注目され、安保理事会の決議という対応がなされ、経済その他の制裁もさらに強化されました。
しかし、今後の世界を破滅に導く可能性のあるのは米ロの核兵器です。カリフォルニア州のバンデンバーグ基地でのミサイル実験や、ロシアのTopol-Mという実験そしてオデッサでのアグニ実験が北朝鮮の実験と同じレベルの報道の対象になり、安保理事会での決議がなされ、制裁が加えられるようになるのはいつでしょうか。
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