ついに25年ぶりの優勝にあと一勝ですが、ずっと今日まで、キツネに抓まれたような感じで、カープがこれほど強くなったことが信じられませんでした。これは夢で、どこかで覚めてガッカリする、という感じで、期待しすぎるなよと自分に言い聞かせてきたシーズンだったような気がします。
それは、去年までのカープと比べて、なぜこんなに強くなれたのかという理由が全く分らなかったからです。それほどの知識もありませんし、解説してくれる人もいない、そしてマスコミでもその分析にはお目にかかりませんでした。それが、昨夜9月8日のNHK番組「クローズアップ現代」で氷解しました。
番組に出演していた25年前の優勝経験者、小早川毅彦さんの解説が的を射ていました。理由は二つあったようです。一つはバッティング・コーチ石井琢朗さんの方針がそれまでとは違ったものだったこと。それまでの指導方法は、コーチの提示する理想の打撃像がありそれに選手が近付こうとして頑張る、とまとめられるのに対して、今年は、選手一人一人の個性に応じた指導が行われるようになった。これが小早川さんの説明です。
つまり、「平均」を元にしての理想を追うのではなく、個人個人は違うという前提で、一人一人の個性を生かす指導方法に変わったのです。偶然かもしれませんが、これは正に『The
End of Average』で著者のローズ氏が主張してきたことに他なりません。
二つ目は黒田投手そして新井選手の役割です。二人のベテラン選手が、若手に素晴らしいメッセージを送っていたことが、映像からも伝わりました。
新井選手については、自分の打撃スタイルを変えてまでも、まずは次につなぐことそして勝利につながる姿勢を徹底し、ある意味「理想像」を壊したことで、若手が一人一人の個性を生かして付いて行けるようになったという変化です。
そして、黒田投手については、去年はあまりにもかけ離れた存在で、若手が黒田投手と自分を重ねて学ぶというレベルまでには行っていなかったのが、今年は黒田投手自身、若手とのしっかりした絆を作ることに成功したのだそうです。引退を考えていた時に若手から「まだ一緒に野球がしたい」という声が上がり、それに応えて残留。アメリカで習得したインサイドを攻める投球方法、そしてメンタルの面でも、毎日毎日の自分のコンディションを直視して、それに合わせた対応ができるようなお手本を示すだけではなく、若手の一人ずつとのコミュニケーションができた、つまり、個性を生かした指導をしていたのです。
二人のベテランの経験や野球観、そして目の前で実行した努力することの尊さが、若手に上手く伝わったということなのですが、それも「平均」の否定、そして一人一人の個性の尊重、という流れで捉えることが可能です。
「クローズアップ現代」のお蔭で、私も皆さんに遅れはしましたが、明日からの試合を「現実」として捉えた上で、応援し楽しみたいと思います。
もう一つ大切だと思うのは、本来なら「違和感のある日本語」に入れてもおかしくない「神ってる」という表現には最初から全く違和感を持たなかったことです。これも今年のカープが「神ってる」ことの証拠の一つだと思います。
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久しぶりに「井上あさひ」アナウンサーを見ました。
投稿: 気まぐれ辛口 | 2016年9月 9日 (金) 05時56分
カープの優勝の原動力は何と言っても、
新球場の建設でしょうね。
新球場ができたことで、観客が増え、資金に余裕ができ、黒田、新井を獲得でき、選手、監督にもそれなりの報酬が支払われ・・・・・
というような好循環ができるようになったのだと思います。
選手の個性を生かすというのも、一つ間違えれば、バラバラになり、崩壊しかねない手法です。
成功と失敗はその紙一重にあるのだと思います。
成功への道は、その大きな流れができたことではないでしょうか。
投稿: 宇品灯台 | 2016年9月 9日 (金) 08時49分
「気まぐれ辛口」様
コメント有り難う御座いました。井上あさひアナウンサー、デーモン閣下、小早川毅彦さんの三人とも、分り易い発言をしてくれました。とても勉強になりました。
投稿: イライザ | 2016年9月 9日 (金) 18時19分
「宇品灯台」様
コメント有り難う御座いました。良い結果が出るためにはいくつもの要素があることは当然ですが、今回は、「クローズアップ現代」の小早川さんの分析と説明がとても分り易かったことを報告しました。
「夢」が「現」になるほどの効果ですので、それなりの意味はあるだろうと思ったからです。
投稿: イライザ | 2016年9月 9日 (金) 18時25分