ヒロシマの心を世界に [春宵十話]

核のない平和な未来を創るために

全米市長会議の快挙 ――20年以上連邦政府に核廃絶を求め続けています――

全米市長会議の快挙

――20年以上連邦政府に核廃絶を求め続けています――

2010年には、オバマ大統領に会わせてくれました

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《アメリカの市民と民主主義を守る市長たち》

またまた全米市長会議 (USCM) が快挙です。アメリカ中の人口3万人以上のアメリカの1500都市を擁するUSCMが、6月7日にカリフォルニアで開かれた年次総会で、核廃絶に向けた強力な決議を全員一致で採択しました。

一言でまとめると、全米市長会議は米連邦政府に対して、「核戦争を防止し、世界を核の瀬戸際から引き戻し、新たな世界的核軍拡競争を停止し逆転させるための国際的努力を主導するよう求める」よう要請する、というものです。

あのトランプの嘘と金に塗れ、権力欲むき出しのアメリカの中で、市民のためそして民主主義を守り世界平和への貢献も続けようと、必死の思いで頑張っている市長たちの心意気に心から拍手を送ります。

全米市長会議との協力関係は私が市長だった2004年から始まっています。その当時の活動の一環を二枚のスライドで例示しておきます。冒頭のスライドは、2010年にUSCMの皆さんとともにホワイトハウスを訪れた時の写真です。アメリカの市長さんたちが力づくで私を一番前まで押し出してくれた上、オバマ大統領との握手の順番まで譲ってくれて、「広島にお出で下さい」と招待できました。「I would like to come.」が答でした。

二枚目は、その年の年次総会での決議の内容です。オバマ大統領に、広島訪問をするよう勧めています。

今日は第一報だけにしますので、この後に、決議文の日本語訳を貼り付けておきます。一読に値します。なお、翻訳はCopilotによるものです。内容のチェックと、最低限の読み易さのための修正は私が行いました。

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日本語訳

2026年 採択決議

核軍拡競争を停止し逆転させるため、米国が世界的努力を主導するよう求める決議

決議番号:53

  1. 世界の核兵器保有数はなお1万2,000発を超え、その85%超を米国とロシア連邦が保有しており、人類にとって耐えがたい危険を引き続きもたらしている、ことに鑑み、
  2. 米露間に残されていた最後の軍備管理協定である新STARTは、2026年2月5日に失効し、後継協定に向けた交渉は開始されていない。その結果、50年ぶりに、米国およびロシアの配備核兵器数に何らの制限も存在しない状況となった、ことに鑑み、
  3. 2026年4月27日に開幕した核不拡散条約(NPT)再検討会議において、国連事務総長アントニオ・グテーレスは次のように警告した。「今日、集団的健忘の状態が広がっている。核の威嚇が再び鳴り響いている。不信が支配している。長年かけて築かれた規範は損なわれ、軍備管理は死につつある。世界の軍事支出は昨年2兆7,000億ドルに達した……。数十年ぶりに、核弾頭の数は増加に転じた。核実験再開も俎上に載っている。いくつかの政府は、こうした恐るべき兵器の取得を公然と検討している。」、ことに鑑み、
  4. 大統領が提案した2027年度予算要求は、米国の核戦力三本柱の維持・近代化のため、核兵器関連支出を12%増額しようとするものであり、これまでの政権が進めてきた新型弾道ミサイル原子力潜水艦、新型地下サイロ配備型大陸間弾道ミサイル、新型核巡航ミサイル、改良型重力爆弾、新型ステルス長距離打撃爆撃機、さらに各運搬手段に対応する弾頭や、改良または新規製造されるプルトニウム・トリガーの開発計画を拡大するものである、ことに鑑み、
  5. 米国、ロシア、中国、フランス、英国において進行中の質的・量的な核戦力近代化計画は、1970年以来有効であるNPT第6条の軍縮義務に違反している、ことに鑑み、
  6. 2026年5月1日、NPT再検討会議において米国代表団長は次のように述べた。「条約第6条は明白である。これは、5つの核兵器国を含むすべてのNPT締約国に対し、核軍縮に関する効果的措置について誠実に交渉を行う義務を課している。これは選択的義務ではない。単なる願望でもない。」、ことに鑑み、
  7. 前文 広島市長および長崎市長が主導する「平和首長会議(Mayors for Peace)」は、核兵器のない世界、安全で強靱な都市、そして一人ひとりにとって平和が優先される平和文化の実現を目指して活動しており、2026年5月1日時点で166の国・地域、8,573都市へと拡大し、そのうち米国加盟都市は245都市である、ことに鑑み、
  8. 2026年5月にブラチスラバで開催された自由都市協定サミットで採択された、欧州および米国の市長らによる声明は、「都市は単なる行政単位ではなく、これらの価値が圧力にさらされたときに、自由、連帯、法の支配を守ることのできる民主的共同体である」と強調した。、ことに鑑み、

9.バートランド・ラッセルとアルベルト・アインシュタインは、1955年の宣言において「あなたがたの人間性を心に留め、その他のことは忘れよ」と結論づけたことで著名であり、これと同様の趣旨は、2025年9月26日の全米市長会議オクラホマシティ宣言においても、「われわれはまず人間であり、次にアメリカ人であり、最後に党派的人間である」と表現された、ことに鑑み、

  1. 全米市長会議は、米国の平和首長会議加盟市長らが提出した決議を20年連続で採択してきた。2025年の決議の題名は「米国が核戦争の瀬戸際から世界を引き戻し、核軍拡競争を停止し逆転させるよう主導することを求める決議」であった、ことに鑑み、
  2. よってここに決議する(NOW, THEREFORE BE IT RESOLVED 全米市長会議は、政権に対し、NPT第6条をこれ以上遅滞なく実質的に履行し、核戦争を防止し、世界を核の瀬戸際から引き戻し、新たな世界的核軍拡競争を停止し逆転させるための国際的努力を主導するよう求める。
  3. さらに決議する(BE IT FURTHER RESOLVED 全米市長会議は、政権に対し、他の8つの核武装国、とりわけロシアおよび中国と誠実に交渉し、核兵器のさらなる増強を停止するとともに、交渉で合意された工程表に従って、検証可能な形で核兵器を削減・廃絶するよう求める。また、すべての核武装国が核兵器の先制使用の選択肢を放棄することを追求し、米国大統領による核兵器使用命令の単独権限に対して有効な抑制と均衡を導入し、冷戦期以来の「即応発射態勢(ヘアトリガー・アラート)」を終了し、新型核弾頭および新たな運搬手段の生産・配備計画を中止し、さらに核爆発実験に関する事実上の世界的モラトリアムを維持するよう求める。
  4. さらに決議する 全米市長会議は連邦議会に対し、上記措置を求める下院決議第317号「米国が核戦争の瀬戸際から世界を引き戻し、核軍拡競争を停止し逆転させるよう主導することを求める決議」および上院決議第323号「米国が核軍拡競争を停止し逆転させるための世界的努力を主導するよう求める決議」を可決するよう促す。
  5. さらに決議する 全米市長会議は加盟都市に対し、たとえば9月26日の「核兵器の全面的廃絶のための国連国際デー」に宣言を発すること、被爆樹木の苗木を植樹すること、原爆ポスター展を開催すること、平和首長会議「子どもたちによる“平和なまち”絵画コンテスト」に参加することなどを通じて、核戦争の危険性の高まり、核兵器がもたらす人道上および財政上の影響、そして核兵器の世界的廃絶を交渉によって実現するための米国の誠実な指導の緊急性について、市民の認識を高めるために自治体レベルで行動を起こすよう求める。
  6. さらに決議する 全米市長会議は、平和首長会議が加盟都市1万都市という目標を達成できるよう、すべての加盟市に対して同会議への参加を呼びかける。
  7. さらに決議する 全米市長会議は、政権および連邦議会に対し、提案されている核戦力近代化の莫大な費用を、米国の都市が抱える切迫した国内需要と慎重に比較衡量し、限りある連邦資源が、コミュニティ開発包括補助金(CDBG)やHOME投資パートナーシップなど、重要な自治体支援プログラムを十分に支えるために優先的に配分されるよう確保することを求める。

提案者:

Lacey Beaty(オレゴン州ビーバートン)

Larry Agran(カリフォルニア州アーバイン)

Martha Guerrero(カリフォルニア州ウェストサクラメント)

Adena Ishii(カリフォルニア州バークレー)

Elizabeth Kautz(ミネソタ州バーンズビル)

Chris Koos(イリノイ州ノーマル)

Barbara Lee(カリフォルニア州オークランド)

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皆様にとって、今日という一日が良き日になりますよう、祈っております。

[2026/6/9   人間イライザ]

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高市総理、声紋鑑定を使わないのは何故ですか? ――国家情報局では、情報収集が難しくなりそうです――

高市総理、声紋鑑定を使わないのは何故ですか?

――国家情報局では、情報収集が難しくなりそうです――

技術の初歩さえ分らない人にAI政策を任せて良いのか

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《有料の情報はいらない――高市総理の決定》

高市総理大臣の秘書や関係者が誹謗中傷をしたかどうかが問題にされています。国会での答弁中、高市総理が頑なに主張してきた点を取り上げたいと思います。2つとも国政に直接関係がありますので、重要です。

問題になっているのは、文芸春秋が公開したZoomミーティングに高市総理の秘書が参加していたかどうかという点です。以下、秘書と略します。

高市総理は最初のうち、文春の公開した音声を聞くには、有料会員にならなくてはいけない、でも自分は会員になる気はないので音声は聞けない、と主張していました。文春から、「お金を払わなくても聞いて貰って構わない」という趣旨のOKが出たらしく、その後、音声は聞いたようですね。

でも、「お金を払ってまで音声を聞く必要はない」という主張は引っ込めていません。そしてこれは、高市早苗という一個人の密かな決意ではなく、一国の総理大臣が国権の最高機関である国会で表明した方針です。国家としての決定です。

そこで、私たちとの関係です。高市政権は、国家情報局の設置を決め、国の内外からの様々な情報を収集し、それを一元的に活用するという方針を採用しました。心配されるのは、集められる情報の中に私たちの個人情報や、人権に関わる情報も含まれる可能性です。

でも高市総理の「お金を払ってまで音声を聞く必要はない」という国家方針で、それかかなり和らげられます。私たちの個人情報は、すべて「有料化」すれば良いのです。特に、公的機関に対しては高額のアクセス料を取ることにしたらどうでしょう。これで個人情報は守れるではありませんか。

《「違和感」は声紋で解消できる》

第二点は、その後、高市理は音声の録音を聞いたけれども、違和感がある等の理由を上げて、それが秘書本人の声であるのかどうかについては言明を避けています。

しかしながら、人間が耳で聞いて、それが誰の声であるのかを判定するよりは、はるかに正確な方法があります。それは声紋鑑定です。

裁判でも声紋鑑定は広く使われています。指紋による本人の同定に続いて、確実な判定の仕方だそうです。

本人ではないことをハッキリと確定したいというのが、高市総理の立場ですよね。自分も秘書も、問題とされている人物には会ったことがないと言っているのですから。だったら、なぜ声紋鑑定によって、「秘書」だと言われている人物の声は、秘書の声ではないといういうことをハッキリ示せば良いではありませんか。

AIを国の政策の中心におき、多額の予算を付けてこれを進めようとしている政府、そしてそれに協力して野党もAI利用には前向きですが、技術としてはそれよりはるかに初歩的な声紋鑑定という、しかも信頼度が高い技術を使わないのか、私には全く理解できません。

声紋の鑑定という技術についてこんなレベルの理解しかない人たちが、AIの方針を決め、そして多額の予算を使うこと、しかも一歩誤れば、その人たちは戦争や核兵器の使用までAIに任せてしまいそうな議論さえしているのです。まずは技術についての初歩的なところから学習してほしいと思うのですが、如何でしょうか。

そしてその第一歩は、文春の音声を声紋鑑定にかけて秘書の音声との比較を行い、同一人物かどうかを、科学的に判断することです。

 

皆様にとって、今日という一日が良き日になりますよう、祈っております。

[2026/6/8   人間イライザ]

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『世界』7月号をお読み下さい ――核拡散・核廃絶についての対談が載っています――

『世界』7月号をお読み下さい

――核拡散・核廃絶についての対談が載っています――

ミドルパワーがカギを握っています

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《『世界』の7月号をお読み下さい》

核不拡散をテーマとして、カナダの平和活動家である、フィルダウス・カラスさんと私の対談が掲載されています。カラスさんは、「核軍縮のためのカナダ、リーダーシップの会」の運営委員として、最近カナダ政府に対して、重要な提言をしています。

今のままでは、核武装をしようとする国が20カ国にもなってしまうかもしれないほど世界は混乱しています。それを正常に戻し、かつ核不拡散と核廃絶の方向を確実にするためには、カナダだけではなく、日本、ドイツ、オランダ、トルコ、メキシコなどの「ミドルパワー」(中堅国家)が連携して事に当たる必要があることを強調する提言です。

ここで紹介しておくと、フィルダウス・カラスさんはカナダの平和活動家で、社会起業家、メディアプロデューサーとしても著名です。1995年に「チョコメート・ムース・メディア」を設立して、核廃絶や暴力削減などのテーマに関するコンテンツを多言語で作成配信しています。国連の関連メディアでも活用されていますし、カナダ最高の勲章である「カナダ勲章」を受賞しています。

この対談は4月24日に行われたのですが、その直後に渡米しNPT再検討会議の傍聴やサイドイベントに参加しました。この対談の内容にも触れていますので、4月27日のサイドイベント、「Reducing the Risk of Nuclear War」でのスピーチから,対談に関係のある部分を抜き書きしてお届けします。とは言え、『世界』の対談の方が分り易いと思いますので、是非、そちらをお読み下さい。

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Middle Powers

そこを出発点に、今日三つの角度からの考察をお届けします。一つ目は、「Middle Powers」を中心にして新たな枠組を作ることの重要性です。「Middle Powers」の力で国際政治を変えようというのが、カナダ政府の提案ですが、その中で「Middle Powers」として言及されている二つのグループのリストをここに掲げておきます。

Stockholm Initiative members: Argentina, Canada, Ethiopia, Finland, Germany, Japan, Jordan,

Kazakhstan, the Netherlands, Norway, Republic of Korea, Spain, Sweden and Switzerland (15か国)

NPDI members: Australia, Canada, Chile, Germany, Japan, Mexico, the Netherlands, Nigeria, Philippines, Poland, Turkiye and UAE (12か国)

重複しているのは、カナダ、ドイツ、日本、オランダ、です。

《人類史の岐路に立つ日本の役割》

二つ目は、流動性の結果、日本が核武装するか否かを迫られる事態が起きてもおかしくない状況があります。その際に日本が核武装するか否かによって世界が大きな影響を受けます。日本が正しい選択をするように、世界の市民社会も知恵を絞らなくてはなりません。

《「One of them」にはならない選択を》

IAEAのグロッシ事務局長予測の通りの「水平拡散」が起きたとして、日本は核武装をするのでしょうか。

答えが「イエス」だったとすると、日本は新たな核保有国中の「one of them」にしかなりません。その中で突出した役割は果せないでしょう。また「自主決定優先主義」が崩れることで、自分自身に対する誇りは失われるでしょう。

日米関係も変化します。「自分の核があるのに、アメリカの核は必要ないだろう」と言われて、引導を渡されるのが関の山です。中国との関係も悪くなります。アメリカという盾がなくなれば、日本と中国が核兵器を手にお互い同士向き合ったとして、日本に勝ち目はありません。被爆者をはじめとして日本国内でも政府を信頼する人は激減するでしょう。

そのような状況では、他国との競争がより苛烈になりますが、そんな中で日本が勝者になり、安保理の常任理事国になることなど、他国が許すはずはありません。

《全ての国が核武装するか、先制不使用を宣言するか》

しかし、最大の問題は、そんなみみっちいことではではないのです。世界の国々は、「唯一の戦争被爆国」の重みを知っています。その日本が核武装すれば、世界からタガが外れます。倫理的・歴史的・人道的な意味で核兵器はいけないものだという真実に基づいた、「神聖な」レベルの地位を占める日本という国の「神格」が崩れてしまうのです。

核推進論者は、これに力を得て、核武装に励むでしょう。そして世界の全ての国が核保有国になったとき、必ず核兵器を使う国が出てきます。一発で止まることはあり得ません。エスカレートの結果、人類は滅亡します。

その原因を作ってしまう立場に、日本は置かれるのです。日本が核武装をするのかしないのかが、人類の帰趨を決めるのです。

日本は核武装してはいけません。

このように理性的な判断が、日本政府のこれまでの特徴なら心配はないのですが、実は日本政府を説得するのはそれほど簡単ではありません。しかし、より大きな目標と合わせて、しかも中堅国家の賛同が得られれば、日本の核武装を阻止できるだけでなく、世界を大きく核廃絶の方向に引っ張ることができるのです。

それは、2035年までの「先制不使用宣言」を前面に出して、核保有国との交渉を行うことです。日本の核武装が世界にとって如何に危険なのかを説明した上で、中堅国家30カ国が核保有国に膝詰め談判を行うのです。「我々30カ国は核武装しない。その代りに、核保有国も2035年までの「先制不使用」を約束しろ」という「ディール」を勝ち取るのです。

核保有国が「イエス」と言わなければ、30カ国が核武装し、それは全世界に広がります。ですから、この立場は無視できません。

「2035年までの先制不使用」を目指すよう、日本政府を含む中堅国家群を応援し、方向性を与えるのは世界の市民社会です。

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皆様にとって、今日という一日が良き日になりますよう、祈っております。

[2026/6/7   人間イライザ]

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